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2012年08月23日

第710話「『おおかみこどもの雨と雪』観てきた」の巻

「サマーウォーズ」の細田守監督最新作
「おおかみこどもの雨と雪」を観てきました。

第710話「『おおかみこどもの雨と雪』観てきた」の巻

個人的な感想を徒然に。
※若干ネタバレを含むのでご注意を!

様々な面に於いて、とても納得のいく作品でした。
物語は全くと言っていい程無駄が無くシンプル。

第710話「『おおかみこどもの雨と雪』観てきた」の巻

「おジャ魔女どれみドッカ~ン!」第40話、
「劇場版デジモンアドベンチャー」、
「ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」…

子供向け作品でも容赦がなく、
クールで都会的な細田演出ですが(←主観)、
今作には感情の熱を感じました。

第710話「『おおかみこどもの雨と雪』観てきた」の巻

主人公・花が運命の男性と出会い、
愛を育み、子を授かり、挫折し、笑い、
子らが巣立っていくまでの13年間。

その長い長い時間を見続けてきたような
テレビアニメでは感じ得ない、
劇場作品独自のどっしりと厚みのある118分。

短絡的に「子供のいる生活って幸せ!」
「家族っていいよね!」では済まさないのがいい。
あるのは理想ではなく、現実的なささやかな喜びと苦悩。

第710話「『おおかみこどもの雨と雪』観てきた」の巻

おおかみおとこの子供である雨と雪。
成長と共にその葛藤に苦しむのですが、
彼らの特異性がそれほど重要ではない脚本が見事。

アニメーションなのだから、例えば夜目が利く、
嗅覚が優れている、怪力を発揮する…などの派手な演出を
安易に入れたくなりそうなのに、それがほとんど無い。

第710話「『おおかみこどもの雨と雪』観てきた」の巻

彼らは普通の人間と同じ様に思春期に迷う。
母は時に彼らを叱り、「大丈夫よ」と背を撫で、外へ送り出す。

第710話「『おおかみこどもの雨と雪』観てきた」の巻

そして美術が本当に素晴らしい。

舞台となる物語後半の田舎町は
監督の古里、富山県上市町がモデルだそうです。

細田監督はガラスや氷、水などの透明なモノの
描き方に拘りを感じるのですが、今作は特に秀逸でした。

第710話「『おおかみこどもの雨と雪』観てきた」の巻

おおかみであれ、人間であれ、
しっかり生きて欲しい。
親とはそういうものですよね。

自分の境遇とも相俟って、
感じるところの多い作品でした。良い映画です。




第710話「『おおかみこどもの雨と雪』観てきた」の巻

蛇足ですが…おおかみおとこの変身シーンは
ジョン・ランディス監督の「狼男アメリカン」を彷彿とさせた。

手の甲が伸びる演出は、若き日の特殊メイクアーティスト、
リック・ベイカーが白昼成し遂げた名シーンに似る。
当時中学生だった俺には電撃が走ったもんなーあれは。



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Posted by うらまっく at 20:17│Comments(0)映画
 
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