オキマン。

「掲載2日前に連載白紙になった漫画、Webで第1話公開」
なるニュースがちょっとした話題になってますね。
「進撃の巨人」の作者、諫山創さんのアシさんだったとか。


これまた成人向け漫画家あるある話ですね。
自分も経験があります。

編集担当さんのネームＯＫが出て作画も完了。
入稿も済ませてあとは掲載を待つだけ…の段階で
「申し訳ないが、掲載できなくなった」の連絡。原稿料も出ない。

理由は掲載誌の前月号で、ある作家の描いた作品が
都条例だかに引っ掛かり、都から注意勧告を受けてしまって。
これを２号連続で喰らうと、雑誌は強制的に廃刊となってしまう。
自分の作品がそれに近い題材だったための判断であったと。


常識的に、担当さんの責任でネームにＯＫを出して作画に入った
段階で成果に応じた報酬は当然発生するもんだと思いますが、
漫画業界（特に成人向け漫画）は上記のような扱いなんですよね。

まあしかし上記の話は20年近く前のことですが、
今の状況はもっと悪くなってるんじゃないかなあ…。

成人向け漫画というのは水物で、業界での扱いも低く、
不動のようでその実世の中の空気に左右されまくる
ニッチなカテゴリーなんですよ。その中で戦うしかない。
「戦う」というより「遊ぶ」が感覚的に近いかな。


理不尽な思いも色々経験しましたが…なんらかの壁に阻まれたら
必死で乗り越えるよりも、壁の横の隙間からひょいと向こう側に
抜けて、別の道というか方法を探して飄々と生き残るのが
業界で長く食べていくコツなんじゃないかなあと無責任に思います。

因みに宙に浮いた原稿は別の出版社に売り込んで
等価で買い取ってもらえました。運も良かったかもね。