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2012年06月01日

第689話「大友克洋GENGA展」の巻

大友克洋GENGA展に行ってきました。

第689話「大友克洋GENGA展」の巻
http://www.otomo-gengaten.jp/

言わずと知れた「AKIRA」の作者です。
漫画史に於いて「大友以前・大友以後」と呼ばれるほど
後の漫画表現に多大な影響を与えた方。

展示会は完全予約制。
最終日最終入場時間だったのですが、
それが幸いしたのか、じっくり見ることができました。

展示されている生原稿は「AKIRA」の全頁を含め約3000枚。
1枚1枚のパワーが凄すぎて脳がパンク状態でした。

第689話「大友克洋GENGA展」の巻
会場内には実際に走行できる金田のバイクの展示も。


まず原稿の大きさに驚いたなあ。特にカラー原稿がでかい。
(因みに以前拝見した鳥山明先生の原稿は小さくてびっくり)
「AKIRA」表紙用原稿の着彩はリキテックスだと思われました。

雑誌の表紙、小説の挿絵、広告用イラストなど
数々のカラーイラストは透明・不透明水彩からマーカー、
カラートーン、色鉛筆などありとあらゆる画材を使用されてる様子。

さらには映画「スチームボーイ」や「MEMORIES」の
「大砲の街」の巨大な背景原画とセルなども展示。
只管溜息出まくり。なんかもうすげえよ…すげえよ、と。

第689話「大友克洋GENGA展」の巻
数々の著名人も描き込んでるフリースペース。


モノクロ原画は70年代の単行本未収録原稿もたっぷり展示。
これにまず痛く感動してしまって。

構図やコマ運び、タイトルの字体に至るまでなんて自由なんだろうと。
今の固定化された漫画表現の狭さが酷く陳腐に思えてしまう。
もちろん…もちろん自分も含めて。というかまず俺が。

面白かったのが「バラエティ」なる雑誌で
連載されていたという「饅頭こわい」というパロディシリーズ。

鉄腕アトムやサイボーグ009、Dr.スランプに登場した
怪獣ドドンガドンやニコちゃん大王の解剖図などが描かれている。
つげ義春の作品世界をテーマパーク化した
「パノラマねじ式遊園地」などは思わず笑い声が出てしまった。

第689話「大友克洋GENGA展」の巻
「童夢」のあのシーンを体感できる展示も。
第689話「大友克洋GENGA展」の巻


原稿を穴が開くほど眺めていて
ずっと感じていたのは…クールだなーという感覚でした。

漫画の生原稿を拝見するとなんとなく人柄が見えてくるのですが、
格好良い上にとても冷静で繊細で緻密な印象を受けました。
内面は沸騰していても、原稿に向かうときは穏やかというか。

まあとにかく自分の小さな脳みそでは
受け止めきれない大量のエネルギーをいただきました。
できればもう一度行きたかった。足りない。もっと見ていたい。

第689話「大友克洋GENGA展」の巻
会場の3331 Arts Chiyoda(アーツ千代田)は
廃校した中学校を改造した、アート中心に使用されるギャラリー。


同行した漫画描きの相方さんが
会場でつぶやいた一言が最も当て嵌まる感想だと思う。

「なんか…今すごく漫画が描きたい」

同感です。



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Posted by うらまっく at 11:57│Comments(0)漫画
 
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