久しぶりに劇場に足を運ぶ時間を持てました。
選んだ作品は「ゴーン・ガール」。
クリストファー・ノーランも捨てがたいのですが、
やはりデヴィッド・フィンチャー作品が好きなんだよなあ。
今作は「ゾディアック」や「ドラゴン・タトゥーの女」方向の
ミステリー映画でした。ほぼ情報を入れずに観たのが正解。
失踪した妻。彼女を殺した容疑を掛けられた主人公。
物語は二転三転し、落ちが全く予想できないのが面白い。
結婚の理想と現実、世論のイメージへの恐怖、
フィクショナルながらも妙にリアルな描写に興味が持続する。
ファム・ファタールである妻を演じるロザムンド・パイクが
いいですねえ。何かを考えてるんだろうけど、何を考えてるか
サッパリわからなくてゾっとするあの目。女ってこええ。
米の映画批評家協会主演女優賞を総嘗めなのも納得です。
女優がすげえ繋がりでは、最近DVDで観た作品で
ウッディ・アレン監督の「ブルージャスミン」(2013)の
ケイト・ブランシェットは本当に素晴らしいですね。圧巻です。
上流階級から貧しい生活へと転落していく中で、
自身のプライドを変えられずに精神が崩壊していく様を
可笑しくも悲しく演じきる姿には執念すら感じます。
映画では、結ばれる男によってその後の人生を
ぶんぶん振り回される女の葛藤を描いています。
まあ…それは男も同じとも言えますが。人生って面白いなあと。
アレン監督の底意地の悪さが見えて、それもまた面白いです。