第19話「いっしょにランチ」の巻
久しぶりに嫁と2人、ランチを食べた。
俺の朝はいつも、徹夜での仕事明けでヘロヘロ。
自分の店をオープンさせたばかりのスナックママの嫁もまた、
連日徹夜明けのヘロヘロ状態で朝に帰宅する。
互いに忙しく、会話もままならない日々。
「2人の時間は無理矢理作らなきゃダメだ!
今からランチ行くぞっオラッ!!!!」
僕はほんの少し前に食べた、
ユニオンの137円のボロボロ
ジューシーでお腹いっぱい。嫁の勢いに引っ張られように出発。
…え?ただのノロケ日記じゃねえかって?
まあ最後にすごいオチがあるんでご勘弁を。
やってきたのはおもろまちのザ・ナハテラス。
家から車で15分。観光地に住んでるとこういう時便利。
まだランチには早過ぎたので、プールサイドで
ぐったりまったり。
こんな時間は本当に久しぶり。風が気持ち良し。
ぶっちゃけ2人とも放っておいたら寝る寸前。
コースランチはメインをチョイスして、前菜やデザートは
ブッフェスタイル。上品で豪勢な料理が並ぶ。
俺のメインは和牛サーロイン、嫁は鴨胸肉。
真昼間からこんな贅沢していいのだろうか。
なんだか学校行ってる子供たちに申し訳なくなる親の性。
何度も料理を皿に盛っては平らげる我々。
お腹いっぱいなハズなのに、美味しいものはスイスイ入る不思議。
大満足の僕らはロビーの喫煙所で小休止。
忙し過ぎる2人。貴重な夫婦だけの時間。
仕事のこと、子供のこと…話題は尽きない。
「時々はこういう時間を作っていこうね」
化粧直しに…と席を立つ嫁。
彼女は前の晩に仕事上しこたま酒を飲んだ上に不眠だ。
俺は煙草を燻らせながら微睡む。
心に刺さっていた棘が抜け落ちていくような感覚。
嫁が戻ってきた。
彼女はにっこり微笑んで、こう言った。
「全部吐いちゃった…」
おいっ!!
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